ご挨拶

E/SASV Gamesの立ち上げに向けて

熊谷道夫 発起人代表 熊谷道夫
びわ湖トラスト副理事長/立命館大学総合科学技術研究機構 教授

 1997年に、私たちはクルーレスソーラーボート大会を琵琶湖で立ち上げました。これは、無人のソーラーボートがGPSとコンパスの情報のみを頼りに走行時間を競う、当時としては野心的な試みでした。あれから26年、私たちは次の一歩を踏み出そうとしています。
 仮想空間と実空間の両方で、世界中の挑戦者たちが競い合う、E/SASV Gamesの開始です。このことを実現させるためには、多くの協力者が必要です。それは複雑なソフトとハードの開発と、それらを支える資金の調達です。
 琵琶湖で競う自律型走行ロボットの競技で得られる資産は、やがては大深海の探索にも、そして大宇宙の探検にも役立つことでしょう。こうして仮想と現実の垣根を取り除く努力の結果が、私たちから未来の人々への贈り物になるのです。

さあ、漕ぎ出しましょう、仮想の湖へ

さあ、競い合いましょう、豊かな琵琶湖で

滋賀県発の水上ロボコン

尾上大地 実行委員長 尾上大地
びわ湖トラスト理事/立命館大学理工学部 3回生

 科学技術は日進月歩で進んでいます。1969年10月29日にアメリカではじめてインターネットを通して「LO」(正確に言うと、LOGINという文字ですが、3文字目でエラーが起こったので結果的にLOになったそうです。)という文字が送信されてから、55年が経ちました。わずかアルファベット2文字の通信だったインターネットが、今では1年間に1兆ギガバイトもの量のデータが行きかっています。
 ソーラーボートを使った大会は1997年から始まり、今年で27年とインターネットの約半分の歴史を持っています。一昨年までは、ルールも形式も変えずに実施してきましたが、昨年から最新技術を取り入れた大会へと生まれ変わりを図っています。高等学校の授業で「情報」という科目がある時代ですから、学生にも気軽に参加してもらえるような大会を目指しています。
 現在では、決められたコースを時間内に走るシンプルな内容ですが、ゆくゆくは様々なミッションの追加も検討していきます。そのような科学技術の発展や技術開発は、災害の対応や日常生活をより高度にできるのではないかと考えているからです。毎年、完走に向かってチャレンジしてくれるチームがいることをありがたく思います。また、27年間もご理解とご協力いただき、会場を提供して下さっております、地域の皆様に感謝いたします。